北村クリニック　書籍紹介

　クリニック選びというテーマからは少し外れてしまうのですが、よく患者様から聞かれるのが個人情報についての不安です。
　高度に情報化された現代では、さまざまなルートを伝って多くの情報が行き交っています。国内外から発せられるさまざまなニュースに始まり、刻々と変わる為替や株価の情報、気象情報や交通情報。さらには企業間や個人の間で交わされる膨大なメールやデータベースに蓄積されていくデータなど、想像もつかないほどの大量の情報が秒刻みで行き来しています。
　こうした時代背景の中で、「情報漏洩」が大きな社会問題となってきました。住所氏名に始まり、電話番号やメールアドレスなど多くの個人情報が、時には故意に第三者に流出するケースが増えたのです。
　こうした事件が頻発したため、多くの人々が自分自身の「個人情報」に敏感になりました。そのため私のクリニックにいらっしゃる患者様の中にも、個人情報への不安を口にされる方がおられます。
　ですが、ご安心ください。あなたの情報は完全に守られています。
　私たち医師の行動は、「医師法」という法律で規制されており、この中に「守秘義務」という規定があります。これは「業務上知り得た情報を、第三者に漏らしてはならない」というもので、クリニックの内外を問わず、厳しく守られています。
　ここでいう「情報」とは、患者様に関するほぼすべての情報です。
　住所氏名はもちろんのこと、カウンセリングの内容、希望したメニューなどすべてです。クリニックに来たということ自体も個人情報と見なされ、守秘義務の対象となります。ですからあなたのことが誰かに知られてしまう、ということはないのです。
　この規律は医師自身だけでなく、クリニックに勤務する従業員にも適用されますので、医師やスタッフから情報が流れることはありません。
　保管されている個人情報は、たとえ公的機関から公開の要請があったとしても、簡単には公開しません。警察などからの要請であっても、それが正規の手続きを踏んだものでなければ、決して応じることはありません。私たちにとって患者様の情報は、それほど重要なものなのです。
　患者様からいただくメールや来院時に作成するカルテなども院内で厳重に保管し、誤って外部に漏れることのないよう、二重三重の安全策を講じています。
　また、女性誌の広告を見ると術前・術後の症例写真が掲載されていることがあります。本書にも多くの写真を掲載していますが、これらはすべて患者様ご本人の承諾を得て、その範囲内で使用しています。ご本人の知らないうちに勝手に使ってしまう、ということはありません。
　体験談などは患者様からいただいたものを使用しますが、これも人名はすべて仮名にし、個人が特定できそうな部分はカットするなど、ご本人の了解を得て掲載するのが通例です。
　今やすっかり一般的になった美容整形ですが、整形を受けたということは、やはり隠しておきたいものでしょう。私たち医師もスタッフも、そうした心理は十分に理解していますので、どうかご安心ください。