北村クリニック　書籍紹介

　美容整形医に欠かせない能力のひとつに、洗練された美的センスがあります。立体的な美しさを追求するボディメイクでは、技術以上にこの美的センスが大きな力となります。どのようなラインにすれば最も美しくなるか、どうすれば患者様に似合った自然な仕上がりになるか、それを明確にイメージし、形にしていく能力が不可欠なのです。
　ですが美的センスはあくまでも医師自身の感性ですから、キャリアを積んだからといって磨かれていくものではありません。しかも油断していると、みるみるうちに曇ってしまうという厄介なものでもあります。だからこそ私たち美容整形医は、感性にも日々磨きをかけておくことが求められるのです。
　美容整形医は、いわば女性美のクリエイター。技術さえあれば良いというわけにはいきません。メイクアップアーティストやヘアスタイリストと同じように、技術や経験だけではカバーできない決定的な要素が、そこにあります。そしてこの美的センスこそ、美容整形医の「腕」を決定づける、重要な要素となるのです。
　センスの良いクリニックをどうやって見つけるか。これは難題ですが、雑誌の広告やホームページの作りなどからも、推測することができるでしょう。またカウンセリングに出かけてみれば、医師自身の女性美に対する考え方やイメージなども、判断することができるはずです。

　医師の良し悪しを判断するときの材料として、あなた自身の「主観」も時には大切です。
　私たちは医師としての技量を総動員して、患者様の悩みを解消し、願いをかなえるために全力を尽くします。ですが医師といえども一人の人間ですので、性格や人柄はまちまちです。そのため患者様から見たときに、相性の良し悪しを感じる場合があるのです。
　「あの人とは何となく波長が合う」「いい人なんだけど、どうもウマが合わない」私たちは時おりこうした言い回しで、人との相性を表現します。こうしたことが医師と患者様との間にも起こるのですが、ボディメイクの場合には、この「相性」というものが意外な意味を持つのです。
　ボディメイクではその性質上、「どのような仕上がりにするべきか」という点について、医師と患者様との間に共通のイメージを作り上げることが重要です。そのためにカウンセリングを行うわけですが、この段階でお互いの意思の疎通がうまくできないと、明確なイメージを共有することができず、思ったような仕上がりが得られない、といった結果にもなりかねないのです。
　そして何よりも、手術を受けるとなればあなた自身の身体を医師にゆだねることになるのですから、信頼できる人物に任せたいと思うのは当然のことでしょう。「この先生ならば、安心して任せられる」そんな医師を選ぶということが、大切なことなのです。