美容整形はその名の通り、美しさを追求するものです。そしてその美しさとは、その人に「似合っている」ことが前提です。そうでなければ不自然に見えてしまうだけでしょう。ですから現代の美容整形では、患者様自身の個性に合った自然な美しさを追求しています。ボディメイクの分野でも、それは変わりません。
もう少し詳しくお話ししましょう。
もともと「美しいボディライン」には基本的なバランスがあります。身長や体型、手足の長さ、筋肉や脂肪のつき具合。これらさまざまな要素を見きわめて、どこをどうすればより美しくなるかを考えるのです。さらには年齢やその人ならではの雰囲気などによっても、どのような仕上がりが似合うかが変わってきます。
たとえば、大柄で骨格もしっかりとした欧米人のような体型の方であれば、ウエストやヒップのメリハリを強調し、ある程度のボリュームを持たせると、とても見栄えのする仕上がりになります。豊胸をされるのならバスト全体にまんべんなく脂肪を注入すれば、より量感のあるプロポーションになります。
逆に小柄でスリムな体型であれば、二の腕や脚など、太さを感じてしまう部分を脂肪吸引すると、子鹿のようにスラリとした印象になります。バストはサイズアップとともに形を整えることに重点を置いて注入を施せば、キュートで引き締まったバストが実現するでしょう。
このように、手術を行ううえでまず重要なのが「その人に似合っているかどうか」ということ、そしてもう一つ忘れてはならないものが「自然さ」です。
容姿の悩みに苦しむ方は、とかく劇的な変化を求めがちです。しかしあまりに大きな変化はご本人に似合わないどころか、かえって不自然さを感じさせることになってしまいます。たとえばある程度のお年を召した方が、若い女性のように豊満で張り切ったバストを手に入れたとしても、不自然な違和感を感じるばかりでしょう。一時的な満足は得られるかもしれませんが、それは決してご本人のためになりません。
ですから私自身、カウンセリングの場では常に「個性に合った美しさ」というものを念頭に、患者様とのディスカッションを行っています。まるで別人のような姿に変身するのではなく、今のあなたの個性を活かし、さりげない美しさを表現する。それが進化した美容整形の真骨頂だと考えています。
美容整形は「別人に変身する」ものではありません。あなただけが持っている個性を引き出して、自然な美しさを表現するための手段なのです。
←書籍目次へ戻る
|